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親の人生を残すNEW公開 2026-10-264分で読める

孫が祖父母にインタビュー — 中高生でもできる質問と撮影の役割分担

孫が祖父母にインタビュー — 中高生でもできる質問と撮影の役割分担のイメージ

写真はイメージです

孫が聞き手だと、祖父母が話しやすくなる場面

「自由研究のテーマが決まらない」と言う中学生の隣で、祖母が古いアルバムを開いている。そんな夕方があります。そこで「おばあちゃんの子どもの頃の話、聞かせて」と一言添えるだけで、インタビューは始められます。

子世代が親に「昔の話を聞かせて」と切り出すと、改まった空気に構えてしまう、という声も聞かれます。孫が相手なら、祖父母は「教える側」に回れます。しかも「宿題のため」という理由があるので、話す側も引き受けやすいのです。

質問が上手でなくても大丈夫です。つかえながら聞く孫の姿そのものが、祖父母の口をほぐすことがあります。ここでは、当日までの準備と当日の流れを順に整理します。

1週間前までに:同意と日時を決める

撮影・取材は、必ずご本人の同意を得たうえで行います。突然スマホを向けるのではなく、事前に次の3点を伝えて了承をもらってください。

  • 何のために聞くのか(宿題、自由研究、家族の記録など)
  • 録画するか、録音だけか
  • 誰に見せるか(学校に出すのか、家族だけで見るのか)

「録画はいやだけど、録音ならいい」という方もいます。その場合は録音だけで十分です。話しやすさのほうを優先しましょう。

日時は、祖父母の体調と時間帯に余裕のある日を選びます。目安は30分から40分です。長く感じさせないことが、次の機会につながります。

役割分担:聞き手・撮影役・メモ役

兄弟姉妹やいとこが集まれるなら、役割を分けると落ち着いて進められます。一人しかいないときは、撮影をスマホの固定に任せて、聞き手に専念してください。

役割 仕事 向いている人
聞き手 質問を読み、相づちを打つ 話を聞くのが好きな人
撮影役 録画の開始・停止、音と映りの確認 機械に慣れている人
メモ役 出てきた名前・地名・年号を書き留める 字を書くのが早い人

聞き手は、次の質問を考えながら話を聞くので、思った以上に忙しくなります。名前や年号は、あとで調べる手がかりになるので、メモ役の記録が役に立ちます。

スマホの置き方と音の整え方

撮影は、スマホを横向きにして、祖父母の目の高さに近い位置に置きます。机の上に直接置くと下から見上げる映像になるので、本を重ねて高さを足してください。

窓を背にすると顔が暗くなります。窓が横にくる位置か、窓を正面にして座ってもらいましょう。聞き手は、画面に入らない位置で、祖父母の斜め前に座ります。祖父母がカメラではなく聞き手の顔を見て話せるようにするためです。

音は、映像より大切です。テレビなど音の出るものは止めます。ただし暑い日はエアコンを止めず、室温と祖父母の体調を優先してください。そのぶんスマホを祖父母に近づけて、声を拾いやすくします。始める前に10秒だけ試し撮りをして、声が聞き取れるか確かめます。

当日の流れ(30分の目安)

  1. 最初の5分は、録画を止めたまま雑談する。お茶を飲みながら、今日の趣旨をもう一度伝える
  2. 録画を始め、答えやすい質問から入る(生まれた場所、子どもの頃の遊びなど)
  3. 話が広がったら、質問票の順番を追わず、そのまま聞き続ける
  4. 終わりに「今日話してみてどうでしたか」と聞いて、締める
  5. 録画を止め、撮れているかその場で確認する

質問は、孫だから聞ける内容を選ぶと自然です。

  • 子どもの頃、いちばん好きだった食べ物は何ですか
  • 私と同じ年の頃、何に夢中でしたか
  • 学校で、いちばん困ったことは何ですか
  • 初めて自分で働いて得たお金で、何を買いましたか
  • 今の私に、これだけは伝えておきたいことはありますか

答えが短いときは、「それはいつ頃ですか」「そのとき、どんな気持ちでしたか」と一歩だけ掘ります。質問をさらに増やしたいときは、親に聞いておきたいこと30の質問リストも参考になります。

撮ったあとに:自由研究にまとめる

録画は、その日のうちにバックアップを取ります。スマホ本体以外に、パソコンやクラウドにも置いておくと安心です。

自由研究にするなら、話を時代ごとに「子ども時代・学生時代・仕事・家族」と分け、年表にするのが簡単です。祖父母が話してくれた町の様子は、地図や古い写真を添えると説得力が増します。写真を使うなら、両親・祖父母の思い出動画の作り方が手順の参考になります。

作品を学校に出す前に、祖父母に内容を見せて、公開してよい部分を確認してください。同意を得て始めたことは、出す前にもう一度確認する、が基本です。

録画の先にある、声を残すことの意味については、親の人生を残す全体のガイドに詳しく書いています。

家族だけで進めるのが難しいときは、人生を聞くところから始める終活映像サービス、LIFE STORYもあります。撮影はご本人の同意のうえで進めます。

宿題が終わったあとも、聞き続ける

夏休みの最後の日、提出を終えた孫が「あの話の続き、また聞いていい?」と言う。祖母は「じゃあ、次はお茶を淹れておくね」と答える。

一度の取材で、人生のすべてが聞けるわけではありません。けれど、聞き手がいて、話す時間があって、それが画面に残る。その形ができれば、次の機会は思いのほか気軽に訪れます。

よくある質問

祖父母が「話すことなんてない」と言うときはどうしますか。

大きな話を求めず、「子どもの頃に遊んだ場所」「よく食べたおやつ」など身近な質問から始めてください。写真や古い物を見ながらだと、思い出が出てきやすくなります。

録画を嫌がる祖父母には、どう頼めばよいですか。

無理に勧めず、まずは録音だけで始めましょう。見せる相手と使い道を先に伝え、「やっぱりやめる」と言える余地を残しておくと、安心して話してもらえます。

離れて暮らす祖父母にも聞けますか。

ビデオ通話を使えば可能です。通話画面を録画できる場合もありますが、事前に祖父母の了承を得てください。遠方の場合の進め方は、遠方の親の話を聞く記事も参考になります。

監修 中井敦

この記事の監修

中井 敦(LIFE STORYプロデューサー・TVドキュメンタリー出身)

株式会社アキグラ代表。NHK 東日本大震災復興特別番組の中継ディレクターほか、テレビ・YouTube のドキュメンタリー番組のディレクションを担当。プロフィール詳細

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務の専門的な助言ではありません。株式会社アキグラおよび執筆・監修者は、これらの分野の専門資格を有していません。個別のご判断は各分野の専門家にご相談ください。