夫婦インタビューの質問リスト20 — 二人で聞き合う思い出と記録の決めごと

写真はイメージです
「知っているつもり」の食卓で、最初に聞くこと
結婚して三十年。夕食のあと、ふと「最初の仕事って、何だったっけ」と尋ねたところ、思いのほか話が長くなった。そんな夜があるかもしれません。
毎日顔を合わせていても、若い頃の話や当時の気持ちは、聞かないまま過ぎていきがちです。「いまさら改まって聞くのは照れくさい」という声も聞かれます。では、何から聞けば、照れずに話せるのでしょうか。
答えは、気持ちより先に「事実」を聞くことです。場所、年、食べ物。答えやすい問いから入ると、気持ちの話があとから自然に出てくることもあります。
夫婦で聞き合う質問リスト20
一度に全部を聞く必要はありません。今夜は3問、と決めて、聞き役と話し役を交代しながら進めます。答えたくない問いは飛ばして構いません。
出会いと若い頃
- 初めて会ったとき、私の第一印象はどうでしたか。
- 一緒に暮らすと決めた理由は何でしたか。
- 二人で行った場所で、いちばん覚えているのはどこですか。
- 若い頃、夢中になっていたことは何ですか。
- 当時の自分に声をかけるなら、何と言いますか。
仕事と暮らし
- 最初の仕事を選んだ理由を教えてください。
- 仕事で、いちばん悔しかったこと、うれしかったことは何ですか。
- 暮らしが苦しかった時期、支えになったものは何ですか。
- 引っ越しや転職のとき、本当はどう思っていましたか。
- 私に言えずにいた心配ごとは、ありましたか。
家族や身近な人のこと
- 子どもの頃の家で、思い出す味は何ですか。
- 親やきょうだいについて、今だから話せることはありますか。
- 誰かを育て、見守った時期(子ども、後輩、ペットなど)で、いちばん迷ったことは何ですか。
- 家族や親しい人との行事で、忘れられない一日はいつですか。
- 感謝を伝えたい友人や恩人は、誰ですか。
これからの楽しみ
- 二人で行ってみたい場所はありますか。
- これから始めてみたいことは何ですか。
- 私にしてもらってうれしかったことを、ひとつ教えてください。
- あらためて伝えておきたい感謝はありますか。
- 十年後の二人は、どんな一日を過ごしていたいですか。
記録するときの決めごと
聞き合いを一度きりの会話で終わらせず、あとから見返せる形にするなら、始める前に次の点を二人で決めておくと続けやすくなります。
| 決めごと | 理由 |
|---|---|
| 一度に3問まで | 疲れる前に終えると、次回も気軽に始められる |
| 答えを訂正しない | 記憶の食い違いも、その人の語りの一部。確認は別の機会に |
| 話したくない問いは飛ばす | 無理のない範囲で続けるため |
| 録音・録画するか先に決める | 記録されることに抵抗がないか、お互いに確かめるため |
| 残す相手を決めておく | 家族か、自分たちだけか。相手によって話す内容も変わる |
手軽に始めるなら、紙のメモやスマートフォンの音声でも十分です。どの形が合うかは、自分の人生を残す方法 — 自分史・年表・写真・音声・映像、5つのかたちで比べられます。録ったデータは、あとで迷子にならないよう、動画データの保管方法と家族への渡し方も目を通しておくと安心です。
書いて残すのが苦手な場合は、エンディングノートが書けない — 3つの理由と、書けないときの対処のように、語る形に切り替える考え方もあります。
声と表情まで残したいとき
夫婦の聞き合いは、メモや音声だけでも十分に意味があります。そのうえで、声や表情、話す間合いまで残したいと感じたら、人に聞き手を任せる方法もあります。LIFE STORYは、人生を聞くところから始める終活映像サービスで、話すだけで、その人の声・表情・人生の物語が映像として家族に残ります。撮影・取材はご本人の同意のうえで行います。進め方は制作の流れで確認できます。
映像で語る終活全体の考え方は、終活動画という選択肢 — 書く終活ではなく、語る終活にまとめています。
食卓に戻って、最初の一問を選ぶ
夕食のあと、テレビを消した食卓に戻ります。二十問すべてを読む必要はありません。「最初の仕事って、何だったっけ」のような、事実の一問を選ぶだけで十分です。
今夜は3問まで。次は聞き役を交代します。答えが予定より長くなったら、それがもう二人の最初の記録です。親の世代に同じように聞いてみたくなったときは、親の人生を残すには — 元気なうちに、声と物語を記録するという選択も参考になります。
よくある質問
相手が質問に答えたがらないときは、どうすればいいですか。
無理に聞き出さず、その問いは飛ばしてください。事実で答えられる質問や、楽しかった話から入ると話しやすくなります。日を改めて、同じ問いをもう一度投げかける方法もあります。
照れくさくて、改まって聞くことができません。
食事中や散歩の途中など、日常の流れで一問だけ聞いてみてください。写真を見ながら「これはどこだっけ」と尋ねる形なら、インタビューという構えを取らずに始められます。
録音や録画は、最初からしたほうがいいですか。
必須ではありません。まずは会話だけで慣れ、残したいと感じた話が出てきたら、相手の同意を得て録音する流れでも十分です。記録の形は二人で相談して決めてください。

この記事の監修
中井 敦(LIFE STORYプロデューサー・TVドキュメンタリー出身)
株式会社アキグラ代表。NHK 東日本大震災復興特別番組の中継ディレクターほか、テレビ・YouTube のドキュメンタリー番組のディレクションを担当。プロフィール詳細
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療・法律・税務の専門的な助言ではありません。株式会社アキグラおよび執筆・監修者は、これらの分野の専門資格を有していません。個別のご判断は各分野の専門家にご相談ください。